こんにちは。ぶんちんです。
作品紹介第29弾では、好奇心旺盛な2人の少女探偵が大活躍!!
基本情報
・シリーズ名
英国少女探偵の事件簿シリーズ
・著者
ロビン・スティーヴンス
・訳者
吉野山早苗
・出版社
コージーブックス(原書房)
・ぶんちん的カテゴリー
英国ミステリ
翻訳済みタイトル(2019年10月現在)
主人公
・主人公
デイジー・ウェルズ
ヘイゼル・ウォン
・年齢
10代前半
・仕事
ディープディーン女子寄宿学校の生徒
探偵倶楽部の会長と副会長兼書記
・家族構成
デイジー:父、母、兄
ヘイゼル:父、母
・ペット
なし
・恋のお相手
???
・知り合いの警察関係者
プリーストリー警部
???
舞台
・国
イギリス
・地域
???
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ぶんちんのおすすめポイント
探偵倶楽部の素敵な関係性、新しい時代の女性像
この物語の主役は、ディープディーン女子寄宿学校に通うデイジー・ウェルズとヘイゼル・ウォン。
個性が強い学校の人気者で、ブロンド美少女のデイジーがホームズ、香港出身で中国人のヘイゼルがワトソンというバディものです。
二人はウェルズ&ウォン探偵倶楽部を結成。
最初は日常で起こる些細な謎を追う程度でしたが、殺人事件に巻き込まれ、本格的な捜査に乗り出すことになります。
この主役二人の関係性がとにかくいい。
お互いの能力や長所、短所を冷静に認め合っていて、まったくベタベタしたところがありません。
特にお互いに言葉にはしませんが、二人でいることを心地よく感じていることが、ストーリーを通して伝わってくるのも素敵です。
また、この二人の生きる時代は1930年代。
二人は寄宿学校に通うお嬢さまで、ルールを破らずおとなしくしていることを、周囲の大人から期待されています。
しかし、探偵倶楽部の活動を通して、図らずも二人は自分を見つけていきます。
ルールの穴をかいくぐり、自分たちの求めるものを追いかける、新時代の女性像が二人を通して描かれているのかなと感じます。
推理も楽しめるコージーミステリ
コージーミステリは、ミステリ以外の日常や料理の描写が大きな魅力。
もちろんこのシリーズでも背景描写を存分に楽しめますが、それだけでなく、読者も推理を楽しめる構成になっています。
まず本を開くと、殺人事件の舞台となる場所の間取り図が!
これで読者も位置関係や登場人物の動きを把握できます。
また、コージーミステリではあまり見られない、殺人トリックも盛り込まれていて、そのトリック解明につながるヒントもストーリー中にちりばめられています。
コージーミステリでは、基本的に「アリバイ」と「殺す動機」にのみ焦点をあてて推理を進めていくパターンが多いため、これはとっても珍しい。
登場人物たちと同じ材料で、読者も推理を楽しめる、貴重なコージーミステリなのです。
親子関係や人種問題なども盛り込まれた作品
少女探偵が主人公という、どの世代にも読みやすい設定の本作ですが、思春期女子と家族との微妙な関係の変化や、人種の問題も考えさせる内容になっています。
翻訳出版されている中で言うと、第2作目ではデイジーと親の関係、第3作目ではヘイゼルと親の関係にスポットが当たっています。
少女たちの成長に伴い、親に対する視点が変化していく様が描かれているので、思春期真っただ中の方や、思春期のお子さんをお持ちの方にもおすすめです。
また、主役の一人が中国人という設定もポイント。
自分と周囲の人の違いを常に意識しながら暮らしているヘイゼルと、人種というものについて特に意識することがなく育ってきたデイジー。
1930年代という微妙な国際情勢の中、謎解きを通して、人種の問題に直面する場面も出てきます。
ヘイゼルには当たり前でも、デイジーには理解できないこと。
その描かれ方を通して、人種問題に関する自分の認識についても考えさせられます。
おわりに
このシリーズは翻訳モノが苦手な方にもおすすめです。
翻訳がとても読みやすい!
翻訳モノ特有の読みにくさというのがほんとにありません。
これからコージーミステリを読み始めるなら、この作品から入るのもいいと思います。
原作は9作出版されており、現時点で3作の翻訳版が出版されています。
ドイツ語版とフランス語版も出ているので、読み比べて楽しんでもいいですね!
他にも同シリーズの短編が4作発表されているようで、こちらも読んでみたい!
続編は翻訳されないのかな~。
ぶんちん
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